外壁塗装で下塗りが大事って聞くけどシーラー・フィラー何が違うの?

こんにちは。

外壁塗装で見積もりを取った際に業者や選ぶ塗料で下塗り材が違う場合があるようでお客様から、他の業者ではシーラーって言われたけど、もう一つの業者ではサーフっていう下塗り材でもう一つはプライマーって下塗りの見積もりが出てきて何が違うのかわからないというご質問をいただいたことがあります。下塗りは実は耐久性に大きく影響するので非常に重要ですし、モルタル、サイディング、金属などの下地の素材や、劣化状況によって使う下塗り材は変わってきますし、場合によっては組み合わせで使うこともあります。そこで今回はそんな下塗り材について解説をしていきたいと思います。

 

■目次

  1. 下塗り材とは?
  2. 代表的な下塗り材の種類
  3. 下塗り材の選び方
  4. まとめ

 

■下塗り塗料とは?

現在日本の数多くの塗料メーカーから数にすると数百種類以上もの外壁用・屋根用塗料が販売されています。外壁や屋根の塗り替えを行う際には、現状の下地の傷み具合や使うメーカーの仕上げ塗料(上塗り塗料)の種類に応じて、適切な専用の下塗り塗料を使い分ける必要があります。下塗り塗料の選択を間違えてたり、下塗り塗料を塗らないと、いくら高価で優れた性能を持つ外壁上塗り塗料を使っても、塗装の仕上がり具合が良くなかったり、上塗り塗料が密着せず、塗装後にすぐに塗膜が剥離や膨れが発生したり、下の色が透けてまだらに見えたりといった不具合が起こる可能性があります。そしてその塗料が本来持っている性能を発揮できず思ったより耐久性が低いといった現象も起きやすくなります。

そのため、上塗り塗料と下地の傷み具合をしっかり把握し適切な下塗り塗料を選ぶことが、外壁・屋根塗装を行う上で非常に大切なポイントとなります。

 

■代表的な下塗り材の種類

下塗り材には主に大きく3つの種類に分けられます。

「シーラー」「プライマー」「フィラー」と言われるものです。そのほかにもメーカーによっては「サーフ」と言った名前だったり、エポ〇〇だとか、カチオン〇〇などと別の名前がついていたりかなり複雑です。塗装業界ではない方でこの違いを説明できる方は少ないのではないと思います。名前が違うのは、それぞれ異なる特徴を持ち使用目的が違うからです。特に下地の状態によって適切な下塗り材を使い分ける必要があるので、見積を取った際に同じ塗料でも業者によって違う下塗り材が選択されている場合などがあります。ご自身の大切な家の工事ですから、しっかり目的に合った下塗り材を使用してくれているのだろうかという点を確認することは業者選びの際にも重要になってきますので、ご自身で確認できるように覚えておくことも大事だと思います。

 

  • シーラーとは?

「シーラー」は「seal」=「シールする・接着する・覆い隠す・塞ぐ」という英語を語源とした用語です。塗装をするときには、塗装面の下地処理をしてから仕上げ塗料を塗る必要があります。この下地処理で使用される下塗り用塗料がシーラーです。上塗り材が元の下地としっかり密着するように密着性を高めることや、下地の状態によって塗料の吸い込みが起こり仕上がりにムラができるのでその吸い込みを防止する下地の補強などの役目を持っているのがシーラーと呼ばれるものです。つまり「上塗り塗料の性能がそのまま生きるようにするための塗料」と考えていただければと思います。

シーラーと言っても溶剤系・水性系もありますし、下地の吸い込みが激しかったりボロボロになっている場合にはカチオン系と呼ばれる下地に浸透して密着性を高めるシーラーやエポ系と言ってエポキシという協力接着剤でも使われる素材を配合し下地を固めながら密着性を高めるシーラーなんかもあります。ちなみにエポキシ系のシーラーはメーカーのよって「サーフ」「〇〇エポ」と呼ばれています。シーラーは、下地の素材・状態・使用する仕上げ塗料に合わせて適切なタイプを使用することが大切です。

 

  • プライマーとは?

プライマーは「primary」=「最初の」という英語を語源とした用語で、「初めに塗る塗料」として下塗り塗料の総称です。プライマーの主な役割は、塗装面と上塗り塗料との密着性を高めるものです。主に防錆プライマー(錆止め塗料)などの金属系の下地に使う場合が多いです。

プライマーは塗装面に塗布して機能を持たせ、シーラーは下地に吸い込ませて機能性を持たせる違いがあるといわれています。しかし、実はメーカーにも正しい定義があるわけではなく、一般的にはシーラー・プライマーは同じものとして扱われているケースも多いです。

 

  • フィラーとは?

フィラーは「filler」=「詰め物・埋めるもの」という英語を語源とした用語で、主にモルタルを使った外壁に使われます。モルタル壁はひび割れしやすいのでそのひび割れや凸凹を埋めて、下地をなめらかにするための補修用の下塗り材です。

基本的にフィラーは水性タイプしかなく、塗布量が多くなる「砂骨(さこつ)ローラー」を使って厚く塗ります。厚くなりやすいのでサイディングのように模様が埋まる可能性があることと、一定の柔軟性があるのでサイディングに塗ると膨れの原因になりやすいのでサイディングには使用しないことが多いです。ただ、ヘアクラックなどはフィラーで埋まるため、ひび割れ処理が少なくて済み仕上がりも綺麗になりやすいです。フィラーにはシーラーとフィラーの機能を兼ね備えた「微弾性フィラー」などの種類もあります。

 

■下塗り材の選び方

先ほど説明したように下塗り材は概ね3種類に分かれますが、まずは大体元の素材で変わると考えるとわかりやすいです。

モルタル壁→フィラー

窯業系サイディングやALC→シーラー

金属系→プライマー

そして下地の劣化度合いに応じてそれぞれの下塗りにカチオン系やエポキシ系等を使い分けるか、違う下塗り材(例えば一旦エポキシ系で固めた後にフィラーを塗ったり)を組み合わせて使うことになります。見積もりを出すための現地調査では、この下塗り材に何を使うべきかということを判断しています。

※エスケー化研 エスケープレミアム無機カタログ参照

※日本ペイント ニッペパーフェクトシリーズカタログ参照

そして各塗料メーカーとも専用の下塗り材を複数準備しています。ほとんどのメーカーの塗料カタログには上のような標準施工仕様書というのがついており、そこで必要な下塗り材がわかるようになっています。ただ、“標準”なので、下地の状態が悪い場合などには別途別の下塗り材を追加して使う場合があります。特に注意したいのは下地に光触媒系の塗膜や、無機系コーティング(ガラス系)を施されている場合です。この場合は、標準のシーラーやフィラーではなく、もっと密着性の高い専用シーラーが必要になります。例えばエスケー化研であれば「水性ハイブリッドシーラー」を、日本ペイントであれば「ファインパーフェクトシーラー」等を使用します。

基本的に大手メーカーであれば上塗り材に合わせた下塗り材が施工仕様書などで明記されています。なぜなら、下塗り材を使う目的は上塗りの性能発揮のためですが、同じメーカーで選ぶ場合は実際に密着性試験をしていて安心できます。一方で少し特殊な塗料の場合は、専用下塗り材がなく他のメーカーの下塗り材を選択する必要がある場合がありますが、その場合はそのメーカーが密着性試験をしたかどうかを確認する必要があります。また密着性が高いこのような下地が特殊な塗料用の下塗り材は通常の下塗り材よりは高額になってきます。ただ、光触媒や無機コーティングなどの場合はこのような下塗り材を使わなければ早ければ1年ほどで剥離や剥がれが起きます。

 

■まとめ

下塗り材の重要性や種類についてはわかっていただけたかと思います。細かく説明すればカチオン系やエポキシ系などについても説明が必要かもしれませんが今回は大まかに下塗り材についてご説明しました。下塗り材は仕上がりに大きく影響する反面、仮に適切な塗装をしていなかったとしても、不具合は数年後なのでその間に業者がなくなる可能性も0ではありません。そこで今回の知識も活用して見積を受け取った場合にしっかり下塗り材に何が選ばれていているかどうかを確認してみてください。上塗り材にはメーカー名や商品名が書かれていても下塗り材では詳しく書かずただたんに「シーラー」とか「下地調整材」とのみかかれているような場合は悪質業者の可能性がありますのでそのような業者は選ばないようにした方が良いと思います。

 

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