セラミック塗料って良いの悪いの?

こんばんは。

外壁塗装の見積もり依頼をするとセラミック塗料というものを提案されることがあるようで、セラミック塗料って良いのか悪いのかわからないというご質問をいただいたことがあります。インターネットで調べると「悪質業者がよく使う塗料だ!」とか「セラミックだから良いわけではない」と色々書いてあるので迷うそうです。でも正確に言えば実はセラミック塗料という分類があるわけではなくかなり誤解されている塗料でもあるので一度解説をしていきたいと思います。

 

■目次

  1. セラミック塗料とは?
  2. 石材調塗料(セラミック塗料)
  3. セラミック含有(少量)単色系塗料
  4. セラミック含有(多量)単色系塗料
  5. セラミックの塗料の評判が悪い理由
  6. まとめ

■セラミック塗料とは?

まずセラミック塗料と呼ばれている塗料とはいったいどんな塗料なのかについて解説していきたいと思います。

そもそもセラミックとは、狭義で言えば陶磁器を指しますが、広義では窯業製品の総称として用いられ、無機物を加熱処理し焼き固めた焼結体を指します。塗料では主に砂などに含まれるケイ素などを主成分として焼き固めたものが良く使われているようです。石やガラスなどが無機物の代表的なものですが、無機物は紫外線の影響を受けないのでそれこそ何百年という耐久性があるものです。ただ、無機物だけで塗料を作ると性質上硬くなるため塗料としては適していないので、樹脂に混ぜることで塗装できるようにしたのが、一般的には「セラミック系○○塗料」とか「無機系○○塗料」などと呼ばれています。

つまり、セラミック塗料という塗料の分類はないということをご理解いただきたいと思います。よく塗料はシリコン・フッ素などと樹脂の種類で分類されますが、そこにはセラミックという分類はありません。あくまでもセラミックという原材料を含む塗料というものです。そしてセラミックをどのような形状でどのように添加するのかによって主に3種類の塗料があります。

 

■石材調塗料(セラミック塗料)

※山本窯業化工株式会社 マデストン[匠の石]カタログ参照

一般的にセラミック塗料と言われると最も多いのが石材調塗料と言われるものです。

メーカーとしては山本窯業化工や菊水化学工業などが有名ですが、日本ペイントやエスケー化研からも同じようなものが販売されています。

特徴としては、塗料の主な成分が自然石や高温で焼き付け塗装をしたセラミックが主成分になっている点です。メーカーや塗料の種類によって違いますが、塗料の中のセラミック成分が70%以上になります。その中には水も含まれるので乾燥すると80%以上はセラミックになります。そのため、御影石や大理石に見えるような色合いもあり豪華な仕上がりになります。そのため、マンションのエントランスや店舗などでも良く使われている材料になります。色を出すための顔料を樹脂に混ぜるという従来の塗料とは違い、自然石や焼き付けしたセラミックで色を出しているため色褪せがしにくいという点が大きな特徴です。また、一般的な塗料よりかなり厚みがあるので上の画像のような目地仕上げも可能で、レンガ調に仕上げることもできます。

塗料としては色褪せしにくいことと豪華さは一般的な単色の塗料にはない最大の特徴を持っているのですが、一方で樹脂の量が少なくなるので柔軟性に関しては一般塗料の方が出しやすいと言えます。また、セラミックの含有量が多いので、1缶で塗れる量が少なく、一般塗料では30坪の家で5缶~6缶くらいの塗料で塗れますが、石材調塗料は20缶以上必要となるので価格としては高くなりやすいです。これだけ聞くと価格は高くても耐久性が良く見た目も豪華なので良い塗料だと言えるのですが、現在はあまり評判はよくありません。それは一つは現在の戸建てはサイディングが主流ですが、サイディングに塗るには塗料に厚みが出るので重量が重く向いていない点と、実は施工が難しいという理由で昔の訪問販売で悪質な業者が不適切な工事を行ったことで評判が悪くなったという点があります。石材調塗料はセラミック部分に樹脂の量が少ないので、それを補うために専用のクリア材を塗るのですが、このクリアがしっかり濡れていないと、10年くらいすると砂のように崩れていくことがあります。またクリア塗布前に雨でぬれたまま塗ると白く白華してくる等施工に注意が必要な塗料です。そのため雑な作業をすると元々塗料が持っている耐久性を維持できず「騙された」となる事例が多かったことがネットで石材調塗料(セラミック)は良くないと書かれる要因です。しかし実際は、モルタルやALC等の構造の家で、しっかりとした職人が適切な工事をすれば、紫外線の影響で樹脂を壊すラジカルが発生する顔料が少ないので高耐久で一般の単色系の塗料にはない質感で豪華さを演出できる素晴らしい塗料ではあります。

 

■セラミック含有(少量)単色系塗料

これはよくある一般的な単色系の塗料の樹脂に無機成分の一つであるセラミックを含有している塗料です。例えば日本ペイントの「パーフェクトセラミトップG」やエスケー化研の「水性セラミシリコン」など〇〇“セラ”と書かれる塗料がそれにあたります。通常の塗料にセラミック(無機成分)を配合することで耐候性を少し上げることができると言われています。メーカーによって配合するセラミック量が違いますが、おおむね10%~30%程同じ樹脂であれば耐候性が上がるようです。つまり一般のシリコン樹脂で10年であれば12年にフッ素樹脂で15年であれば17年になるなど、樹脂のみに比べると耐候性が増えるようになります。この無機成分にはセラミック以外にもチタンなどもあり、これを無機塗料と呼ぶ場合もあるのでややこしい塗料ではあります。

シリコンやフッ素より多少耐候性が高くなりなおかつ価格は上の樹脂の塗料より少し安く収まるので中間的塗料として普及しました。ただ、現在はその座はラジカル制御系塗料がになっていて、日本ペイントの「パーフェクトセラミトップG」はラジカル制御塗料であるパーフェクトトップにセラミックを配合してパーフェクトトップより耐候性が少し高い塗料として存在しています。

このセラミック配合単色系塗料は石材調と違い塗り手を選ばない施工性があるので施工による問題はありませんが石材調のような高耐候性や豪華さ(意匠性)はなく、塗ってしまえば他の塗料との違いは判りません。あくまでも本来的な性能は樹脂の性能に左右されます。また含有量はメーカーや塗料によって違い、セラミック成分が多ければ“燃えにくい”等のセラミックならではの特徴がありますが、一概には言えず、見た目などでは見分けもつかないので判断が難しい材料かもしれません。

 

■セラミック含有(多量)単色系塗料

これはセラミックを主成分としながら単色系塗料のことです。一般的には断熱若しくは遮熱塗料として普及しています。例えば、株式会社日進産業の「ガイナ」やNCK株式会社の「アドグリーンコート」などです。一般的な単色系塗料のように樹脂を混ぜるのですが、石材調塗料のように大きさの違うセラミックを使うのではなく、小さなそれこそナノサイズのセラミックを塗膜表面に密集するように設計された塗料です。セラミックの特徴でもある熱伝導率の良さで接するものの温度に同調する性質を利用して温度上昇を防ぐ効果を狙ったものです。見た目は単色塗料とあまり変わりませんが、強いて言えば単色塗料特有の艶が少ないです。これはセラミックが表面に集まることで凹凸ができるので光の反射角が一定ではない為です。そのかわりガイナなどは塗料の水分量を減らすことでコテ塗りもできる塗料になっています。一方でやはりセラミック顔料が多い分塗装する際はコツがいる(一回で塗れる範囲が狭く、施工性を考えて薄めて塗る人もいた)のでほとんどの塗料が認定施工店として研修を受けた業者や職人しか使えないようになっています。実際に規定を守らず塗装をしてしまい後々性能が発揮されないというクレームも以前は多かったと聞いています。また一般の塗料に比べると1缶で塗れる㎡数は小さくなるのと、特殊な材料を使っているので価格としては高めになります。ただ、断熱という他にはない特徴があるのと、表面がセラミックのため燃えにくいという特徴もあり、サイディングの熱を貯めることでサイディング自体が傷むという欠点を補うことができる塗料として一定の人気があります。

 

■セラミックの塗料の評判が悪い理由

セラミックの特徴を上げてみましたが、インターネットなどで評判がイマイチ良くない一番の理由は石材調塗料にあります。その昔モルタル壁が一般的だった時代に多くの訪問販売業者がこの石材調塗料を「セラミック塗料と言います」と言って販売していました。販売する際にはその見た目の豪華さ(意匠性)や無機成分だからこその耐候性の良さを売りにして中には「30年の耐久性」と言って販売していたりしていました。その中で一部の訪問販売業者の施工業者が手抜な工事やなれない施工で適切なクリア塗布などができていなかったことで、「10年もたたずに白くなった」「壁を触ると砂が落ちる」等のクレームも多くありました。ただ、一方で施工が良かった家では20年以上たっても大きな色褪せがないなど、性能通りの結果を出している現場もありますし、私も知り合いの家もそうです。本来は施工に問題があるにも関わらず塗料のせいになってしまっているというのが一番の原因です。さらに窯業系のサイディングはシーリング目地や素材自体がモルタルに比べ揺れやすく、コーキングの上が割れやすかったのでいわゆる石材調のセラミック塗料はサイディングに不向きできした。それにも関わらず販売していた業者も多くいたためさらに評判が悪くなったのではないかと思います。また、このセラミック塗料という名称が独り歩きしてしまい、「セラミックは高耐久塗料」という印象も広がっていったため、〇〇セラと書かれた単色系に少量のセラミックを混ぜた塗料も「セラミック塗料なんで耐候性がすごいんです」と売る業者がいたのでさらに印象が悪くなったのだと思います。

セラミックの含有量が多くなればなるほどなれない職人からすれば扱いにくい塗料になってしまいます。そのためセラミックの含有量が多く塗料は塗料本来の性能が発揮されず印象を悪くしてしまったのだと思います。

一方で訪問販売業者はいわゆる啓もう活動をしているようなもので「セラミック塗料」という言葉がインターネットで検索数増えると、それを否定することで自社のHPや見積もり一括サイトに誘導するために「石材調塗料は結局樹脂の種類で耐久性が決まるので長く持つのはうそ」等の事実ではない内容が書かれたサイトが多くなりました。実際は石材調塗料はセラミック部分の樹脂がアクリルであってもクリア塗装(シリコンやフッ素)さえしっかりできていれば色褪せが極めて起きにくい高耐候性塗料です。しかし、そのような否定するサイトが拍車をかけて良くないという印象や事実でない内容を広げていったのだと思います。

 

 

■まとめ

セラミック塗料はしっかり施工さえできればその性能は他にはないものがあるのでご自身の家の下地の状態や施工業者がしっかり施工できる技術があれば素晴らしものです。一方でインターネットにあふれているシリコン・フッ素等の樹脂の種類による塗料の分類わけとは別のものであるために誤解を生みやすい塗料でもあります。外壁塗装の塗料を選ぶ際に樹脂の種類だけで説明するとお客様が正しく選ぶことができません。本来は私たち塗装業者がしっかりと樹脂の種類だけでなく、意匠性や塗料の構造を理解したうえで分かりやすく説明できるようにしなければいけないと思います。

 

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