こんばんは。
外壁塗装のご提案をする時に塗回数についてご質問をいただくことがあります。
たまに業者さんによっては「うちは4回塗りですから安心です」と言っている業者さんもいらっしゃるのでそのような疑問を抱くのだと思います。
塗装のことをあまりよく知らない一般の方のイメージではできるだけ何度も塗ってくれた方が丈夫なんじゃないの?耐候性(耐久性)が高いんじゃないの?と感じるかもしれません。
今回はそんな外壁塗装の塗回数について解説してみたいと思います。

■目次
1. 塗装の塗回数はどうやって決まるの?
2. なぜ塗回数が決まっているのか?
3. 規定量以外の塗装をする場合
4. 塗回数はあまり重要ではない
5. 規定量を守っていることをどうやって判断するのか?
6. まとめ
■塗装の塗回数はどうやって決まるの?
ずばり言います!外壁塗装の塗料の塗回数はメーカーによって決まっています。ただし例外的な場合がありますので、その辺をご説明したいと思います。

※日本ペイント パーフェクトトップ標準施工仕様書
どの塗料にも上のように“標準施工仕様”というのがあります。基本的にはこの仕様書に沿って塗装をするのが標準です。例えばこの日本ペイントのパーフェクトトップという塗料であれば、3回塗りが標準になっています。ただ、3回塗りと言っても正確には以下のようになります。
・下塗り塗料1回
・上塗り塗料2回
合計3回に分けて塗るということですね。
他にも断熱塗料等であれば、中塗りというのがあったり、上にトップコートを補助的に塗る塗料や仕様もあるので4回、5回塗りになることも塗料によってはあります。
つまり基本的にはメーカーが下地によって下塗り塗料や上塗り塗料の塗回数や希釈率などを決めています。
■なぜ塗回数が決まっているのか?
塗料メーカーはどのような基準で標準の塗回数を決めているのでしょうか。
これは出来上がった塗料の粘度や隠蔽性によって分かれてきます。
塗料は中に入っている成分によって粘度が違います。例え同じシリコン系塗料であってもメーカーが違えば粘度が違います。粘度が違うということは塗料を塗った時の伸びが変わってきます。
また隠蔽性とは、下の塗料の色をどれだけ隠せる能力があるかということです。同じシリコン系と言ってもメーカーによって隠蔽性が違い、隠蔽性が低い塗料であれば、塗回数や希釈率が変わってきます。なぜなら、厚みを持たせることで下の色を隠蔽(隠す)必要があるからです。特に塗替えの場合は、元々の色から色を変えるケースがあると思います。元々が薄い色なのであればあまり意識しなくてもよいのですが、元々の外壁の色が濃い色の場合は隠蔽性が低い場合は透けてくることがあります。例えば白を塗ったのに明るいグレーに見えるということもあります。そのためメーカーはできた塗料の隠蔽性を試験して塗回数や希釈率を決めているのです。
ただ、本当に塗料メーカーが重要視するのは塗装回数ではなく、“使用量”です。これは1㎡あたり何キログラムの塗料を塗るかというものを決めているものです。上のパーフェクトトップの標準施工仕様だと塗回数の右隣りに記載してある部分です。
これはメーカーが完成させた塗料の性能をしっかり発揮するために1㎡あたりこれだけの量は外壁に載せてください。ということです。これを一般的に規定量と言います。
つまり、何回に分けて塗ろうが、大事なのは1㎡あたりに何キログラムの塗料を塗るかの方が大事だということです。2回に分けようが、3回に分けようが規定量を守ることが大事です。メーカーにとっては、規定量の範囲内であれば最も塗料の性能が生きると考えていると思ってください。例えば薬には服薬量が決まっていると思います。これも人の体重などを踏まえ1回に飲んでいい量を決めているものですが、多く飲んだ方が早く効く・強く効くのではないかと思うかもしれませんが実際はそんなに変わらないにもかかわらず危険があるので皆さんも基本的には規定量を守って飲んでいると思うのですが、塗装職人も基本的にはこの規定量を守って塗装をするのが当たり前です。
塗料メーカーが塗料を作る際には成分によって性質が変わるのでこの規定量を考えて設計されています。つまり規定量を守った時に初めて塗料本来の性能が発揮されると考えていただいてもよいと思います。
■規定量以外の塗装をする場合
規定量を守る大事さはわかったと思いますが、仕上がりを考えて標準仕様から外れるケースもあります。主な理由は2つで1つは、下地の吸い込みが激しい場合、2つ目が隠蔽性の問題で規定量では下地が透けるケースです。どちらも主に下塗り材を規定量より多く使うか、別の下塗り材を追加して塗料の吸い込みを止める場合があります。特にリシンやスタッコ・ジョリパッドと言われる砂岩調の塗料や石材調塗料で年数がだいぶたっている場合は下地の吸い込みが激しく通常の下塗り材では塗膜がうまく形成できない場合があるので標準の下塗り材の下に吸い込み防止の下塗り材を塗る場合があります。この辺は職人さんの経験がものをいうところだと思います。
また2つ目の隠蔽性の問題は、だいたい下塗り材は白の場合が多いのですが、その下塗り材の隠蔽性が悪くしたの色が透けてくるケースがあります。その場合は下塗りを再度重ねるか上塗りを少し厚めに塗装する場合もあります。
どちらにしても現場でしかわからないケースです。特に下地の吸い込みが激しいケースは前の塗装からの年数などによって変わってきます。
■塗回数はあまり重要ではない。
冒頭でお話しした「うちは4回塗りなので安心です!」と言っている業者さんも実は多くいます。4回塗が標準の塗料を使っているのであればただ普通なだけですし、もし標準では3回塗りの塗料を4回で塗るということであればあまり意味はないだけでなく、もしかしたら規定量(1㎡あたりの塗料の量)を守って4回に塗るためには標準より希釈率を上げて塗らないとできないので、むしろ良くないケースもあると思います。もしかしたら希釈率は変えず塗っているのだとしてもそれでは規定量より多く塗ることになり塗膜が厚くなってしまうので、塗料によっては膨れの原因になる場合も出てきます。
つまり「〇〇回塗るので安心です」といううたい文句は一般の方が知らないのをいいことにたくさん塗ってくれるから安心なんじゃないという心理を巧みに利用しているというので知識を持っている人間からすると正直あまり誠実には見えないのが本音です。
■規定量を守っていることをどうやって判断するのか?
ここまで読んでいただいた方は規定量を守る大事さはわかってもらえると思います。そうすると次の疑問があると思います。それはどうやって規定量かどうかを判断するの?ということだと思います。実はそんなに難しくはありません。中塗りと上塗りの色を変えて塗装をするなんてとんでもない方法を公共工事では当たり前だからなんて言っている業者さんもいらっしゃるみたいですが、そもそも規定量は守れても、色が違うと隠蔽性の問題で数年すると下に塗った別の色が透けてくるということはよくあります。ちなみに公共工事でもよくあることです。やはり規定量で隠蔽性が発揮できるようになっているのでそれより少ない量を塗ると数年すると下の色が透けてきますので良い方法ではありません。
そこで最も良い方法は初めに使う量の塗料を届けてもらい使用した塗料の量で規定量に達しているか判断する方法が最も良い方法だと思います。
外壁の塗る面積がわかっていれば、それを規定量で割れば何キログラム必要かがわかります。それで缶数がわかるのでそれを現場に納品してもらいます。あとは、工事が終わった後に残った塗料の量を測ると規定量が塗られているかどうかを判断することは可能です。
まあ、どんな方法でもずるをすることも不可能ではありません。ただ、希釈率を上げると残る塗料が多くなります。ただし、一つ注意が必要です。実際に塗装をしてみると吸い込みや隠蔽性等の問題がわかるケースもあります。そのため、少し多めの塗料を発注するケースもあります。途中で塗料が足らなくなってそこから材料を発注するとその分工期が伸びますし、少し間が空くので仕上がりに影響する場合もあります。塗料が余ったからと言って必ずしも不正が行われているわけではありませんので、しっかり面積から割り出してみて規定量以下になっていないかを確認するのが良い方法だと思います。
■まとめ
塗料の塗回数が多い方が良いという思い込みは間違いです。大事なのはメーカーが指定している規定量を守れるかと現場の判断で仕上がりを考えて施工できるかの2点に分かれます。ただ塗回数に注目するのではなく、規定量はどのくらいで施工時にどのように規定量を塗ったのか確認するのかを業者に確認してみるのが良い工事ができる方法だと思います。

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